東日本大震災以降、水辺の安全確保に対する関心はこれまで以上に高まり、想定水位はどんどん高くなっています。それにともなって街と海や川のあいだには高い壁がどんどん造られていきます。
安全は何よりも大切です。しかし海に浮かぶ美しい島々による国、日本に暮らす私たちは コンクリートの壁ですべてを閉ざされた環境で、豊かに暮らしていくことはできないのです。またいざという時に海が見えないことの危険性も指摘されています。
シーウォールは、高い強度を持った防潮壁用の枠付きアクリル製透明窓です。
防潮壁の向こうの様子を伝え、逃げ遅れた人を示し、津波や高潮から命を守る窓です。
同時に水辺の景観を守り、安全と美しい景観の両立に貢献しています。

「港湾関連民間技術の確認審査・評価事業」における評価証(第14003号)を取得しました。

ガラスを上回る高い透明度※1を持つアクリルによって、防潮壁の向こうの景色をクリアに見せ、景観をつなぎます。そして非常時には海の様子や逃げ遅れた人の有無を伝えるのです。

太陽光や風雨・雪などの気象条件にも優れた耐候性を発揮するアクリルは、屋外用途でも広く使われています。このアクリル板に、潮風や雨による濡れと乾燥の繰り返しによって汚れが蓄積することを防止するために表面加工を施したものがシーウォール特殊加工板です。
以下のような実証実験によって優れた防汚性、防曇性などが証明されています。

シーウォール特殊加工板の一般物性
  項目 試験法 単位 シーウォール
特殊加工板
汎用アクリル板
光学特性 全光線透過率 JIS K 7361-1 % 92 92
曇価(Haze) JIS K 7136 % 1.5 1.0
黄色度(YI) JIS K 7105   1.6 1.6
屈折率 JIS K 7105   1.49 1.49
塗膜性 表面抵抗率 JIS K 6911 Ω/□ 1x 1010

1016以上

接触角(対水)   deg. 20以下 70~90
鉛筆硬度 JIS D 0202   2H 2H
機械特性 引張強さ JIS K 7113 MPa 65 65
伸び JIS K 7113 % 14 14
曲げ強さ JIS K 7203 MPa 88 88
曲げ弾性率 JIS K 7203 MPa 2700 2700
その他 線膨張率 JIS K 7197 cm/cm/℃ 7.0x10-5 7.0x10-5
比重 JIS K 7112   1.19 1.19
比熱 JIS K 7123 kJ/kg・K 1.47 1.47

※上記の数値は代表値であり、保証値ではありません。

親水性

親水処理したシーウォール特殊加工板(左側)では、水滴を形成せず、表面に水が広がります。

(参考例)

シーウォール特殊加工板
(HPコート液塗布)


汎用アクリル板


防曇性
実験

50〜60℃のお湯の入ったビーカー上に、半分だけ親水処理を行なったシーウォール特殊加工板をのせて、曇り具合を観察しました。
親水処理をしていない部分(左)では曇り、親水処理を行なった部分(右)は曇りが発生しにくいことがわかりました。

(参考例)

埃付着防止性

シーウォール特殊加工板は、表面抵抗が小さく帯電防止性を有するため、静電気が発生しにくく、ほとんど埃が付着しません。

実験

半分だけ親水処理を行なったアクリル板の表面にタバコの灰を付着させ(写真左)、このアクリル板を垂直に立てることで、どの程度灰が落ちるか観察しました。
親水処理をしていないアクリル板上では、一部の灰が落ちずに残りました。(写真右) 一方、親水処理を行なった板上では、灰は付着せずにほとんど落下しました。

(参考例)


データ提供:住化アクリル販売株式会社

土木用防汚材評価成績書

F15戦闘機のキャノピーや大型水族館の水槽にも使われるアクリルは、高い透明性と耐衝撃性を併せ持っています。シーウォールの枠はこの特性を活かしながらアクリルの伸縮性にも対応できるように、さまざまな実験を経てつくられています。そのためシーウォールは枠と一体で製品化されています。

【特許第5254944号】

民間企業により開発された技術を評価し、公共事業への活用を図ることを目的に、平成元年「港湾に係る民間技術評価制度」が運輸省において創設され、平成12年10月より(財)沿岸技術研究センターにその機能が移管され、「港湾関連民間技術の確認・評価事業」として実施されております。
このたび、防潮壁用枠付き透明窓「シーウォール」の評価依頼を申請し、「港湾関連民間技術の確認審査・評価に関する実施要領」に基づき、学識経験者からなる「平成26年下期 港湾関連技術確認審査・評価委員会」において、技術の確認審査および評価を受け評価証(第14003号)を頂きました。
本技術の確認審査・評価においては、以下に示す3つの事項について評価して頂きました。

(1) 施工性をよくするための枠付き構造であり、維持管理性を高めるため透明樹脂板が取り外し可能であること。
(2) 防潮壁として高潮・津波に対して、越波流量基準に対する水密性が確保されること。
(3) 主な透明樹脂板であるアクリル又はポリカーボネートの温度変化による伸縮性に対して、部材に孔を空けることなく
枠部分にて吸収できる構造であること。



特許第5254944号
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