私たちの命や生活を守るために防潮堤は必要不可欠です。しかし、背の高い壁によって視界が遮られるということは、とても危険なことなのです。津波が迫ってきても、壁の向こう側に人が残されていても、見えなければ気づくことはできません。「見える」ということは、防災の基本であり、人の命を守るためにとても重要なことです。それらの問題を解決すべく、防潮壁に取り付ける窓としてシーウォールは開発されました。シーウォールは見えることによる安心・安全を提供し、人々の生活と海の景色をつなぎます。
大型水族館の水槽やF15戦闘機のキャノピーにも使われるアクリルの高い透明性と耐衝撃性。少しの津波の衝撃では耐えうる強さを持っています。シーウォールの枠はこの特性を活かしつつアクリルの伸縮性にも対応できるよう、さまざまな実験を経てつくられています。そのためシーウォールは枠と一体で製品化されています。
アクリルはコンクリートの約7倍も膨張します。それだけ性質が違うものを一体化するために、専用枠を開発しました。シーウォールは、アクリルの熱膨張を枠部分で吸収できるよう、設計されております。そのため、どんな気象条件であっても必要な強度を保つことが可能となりました。
シーウォールは下記の試験を実施し、安全を確認しております。
シーウォールは超親水加工のおかげで雨が降れば埃などの汚れが落ちるため、日常的な清掃は不要です。アクリルは耐久性に優れ色あせもなく、耐用年数は50年以上と言われております※。適切な管理をすればシーウォールは長期間美しいまま、わたしたちの傍に在り続けます。シーウォールは「フレームごと取り外し、部品の点検・交換やアクリルパネルのメンテナンスを行い、再び防潮堤に取り付ける」ことができます。(特許) アクリルは高価な石油化学製品です。アクリルパネルを繰り返し使用することで、施主である自治体等の財政圧迫を軽減し、資源を有効活用することで地球環境を守ります。 ※耐用年数は保証値ではありません。
民間企業により開発された技術を評価し、公共事業への活用を図ることを目的に、平成元年「港湾に係る民間技術評価制度」が運輸省において創設され、平成12年10月より(財)沿岸技術研究センターにその機能が移管され、「港湾関連民間技術の確認・評価事業」として実施されております。
このたび、防潮壁用枠付き透明窓「シーウォール」の評価依頼を申請し、「港湾関連民間技術の確認審査・評価に関する実施要領」に基づき、学識経験者からなる「平成26年下期 港湾関連技術確認審査・評価委員会」において、技術の確認審査および評価を受け評価証(第14003号)を頂きました。本技術の確認審査・評価においては、下記に示す3つの事項について評価して頂きました。
施工性をよくするための枠付き構造であり、維持管理性を高めるため透明樹脂板が取り外し可能であること。
防潮壁として高潮・津波に対して、越波流量基準に対する水密性が確保されること。
主な透明樹脂板であるアクリル又はポリカーボネートの温度変化による伸縮性に対して、部材に孔を空けることなく枠部分にて吸収できる構造であること。